前回は鮮度が落ちると食いつきが悪くなる事があり、それでフードロスになるという、「猫の気まぐれ」についてお話ししました。今回はそんな気まぐれ猫にも負けない、フードの鮮度をいかに保つかという具体的な対策のお話です。
実践!フードの香りを保つ方法。
どんなに愛猫好みのフードを購入しても、その香りを持続させなければ、見向きもされなくなってしまいます。
我が家の猫のフードはドクターズケア「キドニーケアプラスの(可溶性繊維)」です。このフードは小分けパック(250g)になっています。我が家は2匹で1日約100g消費するため、1パックで約2.5日分という計算になります。
しかし、猫の食事量は季節や天気によっても変化します。それによって消費のスピードも変わってくるため、1日で食べきれない分は、しっかりと酸化を防ぐ対策が必要です。
日本獣医生命科学大学の研究によると、「フードの袋の空気をきちんと抜いて、何かしらの封をすれば酸化は防げる」という研究結果が出ています。
この研究では開閉回数による影響には触れられていませんでしたが、より空気に触れる回数を減らすためには、あらかじめ小袋をさらに小分けする事が最善だと思います。
シーラーで口を閉じる
まず試したのが、小袋を半分に切ってからシーラーで再び密閉する方法です。
100円ショップで電池式のシーラーを購入して使用してみました(単三電池が別途2本必要です)。
<ハンディーシーラー>

楽天市場でも取り扱っているお店があります。ただし、ネット通販の場合は送料がかかる場合があるため、お近くに店舗がある方はそちらでお求めいただくのが良いかと思います。
肝心の使い心地はというと、少しコツがいります。まっすぐ同じ力で、ゆっくり横に少しずつずらしながらスライドさせると綺麗に接着できました。
こうしたハンドタイプは慣れが必要なため、より手軽に作業したい場合は、以下のような置き型のシーラーを検討してみても良いかもしれません。
<置き型のシーラー>
真空パックもできるものは愛猫のフード以外にも野菜やお肉などまとめ買いしたときなどに利用は可能なので、一家に一台あっても良いのかもしれません。ただし、真空するには専用の袋が別途必要になってくるので、費用の面でお得かどうかはよく検討する必要があると思います。
アルミのジップ袋に入れる
もう一つの方法が、光りも空気も通さないアルミのジップ袋へ移し替える対策です。
このようなアルミ袋に小分けすることで、手軽に酸化を防ぐことができます。
<アルミ蒸着バック>
100円ショップでも、コーヒーや茶葉を保存するためのアルミ蒸着ジップ袋(5袋入りなど)が販売されています。我が家も、まずは手軽なこちらから試してみました。
セリア:チャック付き アルミ蒸着バッグ
JANコード:4982494334372
価格:110円(2026年5月現在)

こちらの方法は半量を移し替えるだけなので、シーラーで毎回密閉するよりも手間がかからず、非常に楽だと感じています。
ハイシニアの現実は甘くなかった
しかし、これだけの工夫を凝らしても、現実は甘くありませんでした。完璧に鮮度を保っているはずなのに、結局は2匹で毎日15~20g食べ残しが出ます。

1ヶ月で計算すると、450~600g。小袋2袋分、金額にすると約1,200円を毎月廃棄している事になります…………..。
よく考えてみると約2年ぐらい前から残すようになった気がします。
これはわがままや気まぐれではなく、ハイシニア期を迎えた猫たちには、歯や顎の痛み、あるいは純粋な筋力低下があり、大きな粒を噛み砕くこと自体に疲れてしまうのではないかと思います。
そう考えると、この年齢に合ったフードがあれば、こうした食べ残しは少なくなるはずです。
療法食に、ハイシニア対応を
現在、各メーカーからは「ハイシニア用」のフードが発売されていますが、それはあくまで総合栄養食の話であり、病気の際に必要となる「療法食」の分野ではまだ見当たりません。
15歳以上の高齢猫になれば、実に8割以上に慢性腎臓病の兆候が見られるというデータがあります。それにもかかわらず、一番需要があるはずの「腎臓病の療法食」において、食べやすさに配慮した製品が作られていない現状は、非常に残念でなりません。
「まだ健康な2割のハイシニア」に向けたフードよりも、病気と戦う「8割」の市場の方が、はるかに切実な需要があるはずです。
メーカーは食欲をそそるために味や匂いを変えたフードを出してくれています。あるいは『食べづらいならウェットを』と言うかもしれません。
しかし、工夫されたドライフードは構造上、逆に粒が大きくて硬くなっています。そして、すべての猫がウェットを好むわけではありませんし、傷みやすいウェットはシニア特有の『ちょこっと食べ』の置き餌には向きません。

ハイシニア猫にとっても「噛むこと」自体は脳や消化への刺激として大切だと思います。ですから、ただ柔らかいだけでなく、「軽い力で割れやすく、万が一飲み込んでも胃液ですぐに溶けやすい小粒」が理想です。子猫用フードでは、すでにこのようなアプローチで作られている製品が存在します。
人間には「歯ぐきでつぶせる食事」があるように、猫の超高齢化社会にも、子猫用で培った技術を療法食に応用してほしい。
療法食フードを手がけるメーカーさんは限られますが、ぜひ早急に取り組んでいただきたいと願っています。


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